PROFILE

おひさま歯科・こども歯科
松本 崇
本日は愛知県知多市で歯科医院を開業している松本崇さんにインタビューをしてきました!

本当に広くてきれいな歯医者さんでびっくりです!
キッズスペースも充実していて、子供も喜びそうですね。
松本院長のこれまでのご経歴を教えて頂けますか?
ありがとうございます。
私は三重県の出身なのですが、大学進学の際に、両親の意向や自分自身が東京へ出たかったこともあって、現役で合格できた東京理科大学の建築学科に進んだんです。
でも、本当は、ずっと医学部に行きたかった。その気持ちがどうしてもぬぐい切れず、大学を3年生の時に辞めるという決断をしました。
ーええ!そうだったんですね。そんな立派な大学を途中で…すごい覚悟ですね。
はい。一時は医学部に合格してから辞めることも考えたんですけど、それだと一生合格できないだろうなと思って。思い切って退路を断ちました。
その後何度か受験をし続けて、25歳の時に、歯学部に合格したんですね。
医学部には合格できなかったけど患者さんを診る仕事に就けると思い、歯科医師になることを決めました。
大学を卒業後、愛知県の歯科医院に就職しました。
大きな歯科医院で私を含め当時4名の歯科医師が勤務されていました。
一生懸命頑張って、早く一人前になろうと、とても良い環境で教育をしていただきました。
しかし、私の師匠である院長先生は私が就職してから1年ほど後に癌になってしまいました。
そして癌が発覚後4年で他界されました。
まだ40代でね…。
実質、僕がいろいろと教えてもらったのはたったの1年あまりでした。
ーそれはショッキングな出来事でしたね…
はい。さすがに堪えましたね。
さらにその院長が、亡くなる少し前に僕に「次期院長はお前に任せる」と言うんです。
当時一緒に勤務していた先輩を差し置いて院長に抜擢されました。
この時は『雇われ院長』という立場で仕事を任されていました。苦労しました。
人望もなかったし、大した技術もなかった。
しかし、自分は誰よりも努力して腕を磨いているという自負があった分、一生懸命でない人に厳しくなってしまっていたのかもしれません。
「一生懸命やれば、尊敬されて人がついてくる」と思っていたんですね。
ある尊敬する先輩に「松本君、今うまくいってないでしょ?松本君の今のやり方は間違っていると思うよ」と言われたことがあったんですが、当時の僕にはそれがなぜなのかわからなかったし、その先輩も、なぜなのかは教えてくれなかった。
とにかく売り上げを上げたい一心で、患者さんが望まない治療も提案し、最後にはトラブルに発展もしてしまったことがたくさんありました。
その当時の結論は、『雇われ院長』だからうまくいかないんだ。
自分の理想とするやり方が、実現できないことが原因でうまくいかないんだ。
そう思う日々が続き、『雇われ院長』をやめる決断をしました。
ーそんなことがあったんですね…
はい。きっと自分で開業したら必ずできる、という考えのもと42歳で独立を決意しました。
当時はこの先とんでもないことが起こるなんて、これっぽっちも考えていませんでした。
43歳で開業準備を始め、実際に独立したのは45歳の誕生日直前でした。
開業当初はたくさん「ここで働きたい」という人が来てくれました。そして患者さんもたくさん来てくれて一見順調なスタートを切りました。
でも、そこから1ヶ月経ち2か月経ち、どんどん人が辞めていって…。
開業数ヶ月でつぶれる危機でした。
結局、過去に指摘されていた「自分の悪いところ」が、改善できてなかったんですよね。
担当の税理士さんにも「先生自身が変わらないと、ここはつぶれますよ」と言われました。
今からは考えられないお話ですね。
何か松本院長が変わるきっかけになったできごとがあったんですか?
はい、2018年に出会ったアチーブメントですね。
そこで、すべてが自分の写し鏡であること、人間関係の構築が一番大事であることに気づかされました。ただ、それがわかっても、じゃあどうしたらいいのか、そのやり方がわからない。
1年くらいはプライドが邪魔をしてなかなかうまくいきませんでした。
まずは自分の言葉遣いや言い方を意識することで、いったん離職はストップしたのですが、当時はまだ「自ら楽しい」という気持ちで仕事をしているスタッフはいなかったですね。
ただ、ずっと学びを続けていく中で、今のチーフが「先生が変わろうとすごく頑張っているのを感じている。私も先生の力になりたい、私も変わりたい」と言ってくれて、一緒にアチーブメントを受講するようになってくれたんです。
それが2019年のことで、そこからだんだんうまくいきかけていたんですが、その矢先にコロナに突入して…。
ーうわぁ…せっかくいい形になってきたところに、それは心が折れそうになりますね。
「試されているな」と思いましたね。
でも、コロナはコントロールできないことだから仕方がない。
大切なのは「想い」より「行動」だと思い、スタッフには「給料は補償するから1ヶ月休んでいいよ」と伝えました。
一番売り上げが下がった月は、前年比80%マイナスで本当にピンチでした。
しかし「歯科医療は安全だ」という情報が発信されて、すぐに患者さんは戻ってきてくれました。
ーその言動からも、松本院長の考え方やマインドが、歯科医師として働き始めたころと大きく変わっていることを感じますね。
そうですね(笑)
その後2021年~予防歯科の勉強を始め、そこから2~3年で確立させました。
教育・モノ・システムの三方向から「絶対に悪くなりそうなところを見落とさない仕組み」を構築しています。
スタッフ一人一人が「院長の指示だから」ではなく、患者さんみんなを自分の家族のように思い「絶対虫歯になってほしくない」という気持ちで向き合っている結果だと思います。
歯科衛生士さん・歯科助手さんみんながそういうマインドということですよね。
そのマインドを浸透させるためにどんなことに取り組まれているのですか?
はい。まず「おひさま歯科が目指していること」を冊子にして明文化していて、そこに賛同してくれる人だけを採用しています。面接は三次まであるんですよ。
まず、一次面接で当院の方向性を伝える。
二次面接で、本当に当院のミッション・ビジョンに賛同してくれるかどうか、その人自身も当院で働くことによって楽しいと思えるかどうかをしっかり確認しています。
なので、ここで次に進めない人は結構いますね。
患者さんを大切にしてくれそうな人と一緒に仕事がしたいから、けっこうシビアに見てしまいます。
ーすごいですね。こんな冊子を作っている歯医者さんは他にはないんじゃないでしょうか?
最後に、今後のビジョンを教えていただけますか?
はい。当院は2021年にはじめて売り上げ1億を超えたのですが、その後も順調に売り上げを伸ばしていて、2022年が1.4億、2023年が1.7億、今年(2025年)は2億を売り上げるペースです。
現在はもうすでに診療はほぼ僕の手を離れている状態なのですが、今後はもっと若手の育成・教育がしたいと考えています。
「見る目は厳しく、言い方はやさしく」ということを意識していますね。
僕は「お金持ち」よりも「人持ち」になりたいんですよ。
そのために、研修費や人件費は惜しまず投資しています。
今は、衛生士のチーフと受付のチーフの二名が幹部として働いてくれていますが、彼女たちの功績は計り知れないですね。本当に感謝しています。
ーお金持ちよりも人持ちに、すごくいい言葉ですね!
松本院長、貴重なお時間をありがとうございました!
