健康に寄り添う、信頼の国産ブランドを目指して【株式会社 MAKERS】林 慧亮社長

PROFILE

【株式会社 MAKERS】林 慧亮社長

株式会社 MAKERS

林 慧亮

御社のサービスについて教えてください

フィットネスやケアの分野で使われる商品を、自社で企画開発から販売まで手がける、いわゆる“ファブレスメーカー”として事業を展開しております。
自社で製造機能は持たないメーカー業という感じですね。

今の事業を立ち上げた背景には、どのような想いや経験があったのでしょうか?

もともと大学時代は教授を目指していたんです。

でも大学時代にIT系の会社でアルバイトをする機会があって、そこで「自分で仕事を作るって楽しいな」「誰かの役に立ってお金をもらうのって楽しいな」と思うようになりました。それで起業したいと思ったのがきっかけではあります。

学生時代に一度起業してうまくいかなかったので、企業に就職したのですが、1年くらいで辞めてしまいました。やっぱり「自分で仕事をやりたい」という気持ちがあったんです。

もう一つ、「バスケットボールチームのオーナー業をやりたい」という夢がありまして、これは自分で何か事業を持たないとかなえるのが難しいというところがあります。
高校生の頃にプロの道は厳しいと自覚していたので、何かしら違う道でバスケットボールに関わりたいと思うようになりました。
そこで一番やりたいと思ったのがオーナーだったんです。

ー一度就職をされて、次のステップということで起業されたのですね。
企業に就職することと、会社を経営することでは全くやることが違うと思いますが、そこに迷いはありませんでしたか。

迷いはありましたね。
新卒1年目で就職した会社では、社長直下の部署に配属されていて、直属の上司が社長だったんです。
ある時「こういう副業がしたいんですけど…」って相談したら、「そんな中途半端にやるくらいなら独立すればいいじゃん。何かあったら戻っておいで」と言ってもらえて。
ある意味セーフティーネットができたような気持ちになり、独立することを決めました。

ーとても印象的なお話ですね。
今、創業されて7期目とのことですが、これまでを振り返って「転機だったな」と思うことはありますか?

はい、今の事業にピボットしたタイミングですね。
起業して最初の2年間は、Web広告系の事業をやっていて、ありがたいことにそれを譲渡することができました。そして3年目から、今の事業であるuFitをスタートしています。

uFit(ユーフィット)

https://ufit.co.jp

ーなぜ今の事業に転換されたのでしょうか。

もちろんビジネスチャンスや、自分自身がやりたいと思えることというのもありますが「世の中の役に立つかどうか」というところが大きかったですね。今もその思いは変わっていません。
当時から、この業界には海外産の安価で壊れやすい商品が多く出回っています。
そうした中で、きちんと顔が見えて、アフターサポートまでしっかり行える会社が出てくれば、それ自体が一つの価値になると考え、今の事業を始めました。

ーなぜ国産の商品があまりないのでしょうか。

国内にサプライチェーンがないので、そもそも作れるところがないんです。
例えば、急に「商品を1000個だけ作りたい」と言っても、請け負ってくれる会社がないうえに、仮にあったとしてもかなり高くなってしまうというのが現状です。
国産のものを増やしていければいいなと思っています。

これまでの経営において、一番大変だったことや乗り越えたことは何ですか?

やっぱり、事業をピボットしたタイミングが一番きつかったですね。
Web系の事業をやっていた頃は、社員が20人くらいいたんですが、ピボットのタイミングで全員退職しました。

「事業売却」と言うと聞こえはいいんですけど、正直、大きな金額で売却したわけではないので、資金的な余裕があったわけでもなく…。そんな中で、新たにuFitを立ち上げるというプレッシャーも大きかったです。
uFitは、Web事業と違って初期投資が必要で、パソコン1台あれば始められるというものではありません。

さらに受注生産ではなく在庫を抱える必要があるので、先に商品を作っておかないといけないんですよね。そういった意味でも、本当に大変でした。想定よりも伸び悩む時期もあって、正直かなり苦しかったです。
それでも立ち上げてからは、ありがたいことに右肩上がりで成長してきているので、なんとかここまでやってこられたのかなと思います。

ご自身で今の事業をやろうと決めた背景に、お父様のご病気のことがあったと伺いました。
差し支えない範囲でどういうきっかけがあったのかお聞きしてもよろしいでしょうか。

高校2年生の終わりに父が交通事故に遭い、植物状態となりました。徐々に回復し、現在は車椅子ながら日常生活を送れるまでに至りましたが、一度職場復帰を果たした後、さまざまな事情により退職することとなりました。

また、母が特別支援学校の教員をしていたこともあり、幼少期から障がいのある方々と接する機会が多くありました。その中で強く感じたのは、「働く場所が少ない」という現実でした。特に、親御さんたちが「自分たちが元気なうちはいいが、自分たちがいなくなった後、この子はどうなるのだろう」という不安を常に抱えていることに、課題の根深さを実感しました。

こうした経験を通じて、「働く場所をつくることこそが大切だ」という思いが自然と芽生えていきました。

いわゆる“ソーシャルビジネス”という言葉で語られることもありますが、私自身は特別にそうしたラベルにこだわっているわけではありません。あくまでビジネスである以上、すべての関係者にとっての“ウィンウィン”がなければ継続はできないと考えています。
あくまでも縁があって、今このような形で事業を展開している、というのが正直なところです。

ーどういうご縁があったんですか?

一番最初に完全栄養食を作ったのですが、実際の取引先だったところがそういうところでした。

今の事業をやると決断されたときに、ご自身が大切にしていたことや心構えなどがあれば教えてください

昔から心がけているのは、「一発退場の賭けはしない」っていうことですね。やって失敗したら後戻りできないみたいな状態には絶対にしない。
最悪、失敗してももう一回できる状態にすることも意識しています。

ー「一発退場の賭けはしない」ことを心がけていらっしゃるということですが、普段経営される中で大切にされていることはありますか。

全く同じことを大切にしています。
この施策が当たったらすごく儲かるけど、外れたら倒産だよねみたいなのはギャンブルだと思っているので、そういうのは期待しません。

この仕事をしていて嬉しかったことを教えてください

お客様からの声が来るというのがやりがいかなと思っています。
実際に商品を購入されたお客様が連絡くださったり、商品レビューを投稿してくださったり、月間で4、500件程度はいただいています。
「体の不具合が解消された」など、ポジティブなお声も多くいただいてます。

何かアピールしたい商品はありますか?

「マッサージガン」が一番いいと思います。
医療機器認証をとっているものもあって、実はこういう効果効能に国がお墨付きをくれている商品って、国内だとうちともう1社くらいしかないんですよ。なので、そこが一番のアピールポイントかなと思います。

ーちなみに「uFit」さんのお名前にはどういう意味が込められているんですか?

「あなたに合う方法で」という意味があります。

ーおしゃれですね。
色々ありますが、どれを使ったらいいのでしょうか。

プロ向けのものは、やっぱりパワーがあります。他のマッサージガンに比べて振動の幅が大きいので、アスリートの方や体が大きい方には特におすすめですね。筋肉がしっかりしている分、深いところまでケアが届くようになっています。

一方で、コンパクトなタイプもあって、こちらは持ち運びにも便利ですし、「運動はそんなにしないけど、健康には気をつけたい」っていう方にも使いやすいと思います。

ー贈り物にもいいですよね。

そうですね。実際に家族に勧められる商品っていうのを、当社の場合、開発においては結構大事にしています。
お客様の声を元に、「これだったら安心して届けられる」さらにちゃんと人にもすすめられる品質の商品っていうところがポイントかなと思います。

今後はどのように事業展開されていくのでしょうか?

健康って、本当にいろんな要素が関わっているので、これが正解!っていうのはなかなか言い切れないんですよね。
でも、少なくとも「運動が健康にいい」ってことは、ある程度はっきりしています。

ユーフィットができることって、「運動の後押し」なんです。だから、ちょっとでも多くの人が、ちょっとでも健康になれるように。
そんな思いに共感してくれる人が仲間になってくれたら嬉しいですし、「お金儲け」っていうよりは、「どうやったら健康に役立てるか」を一緒に突き詰めて考えられる人と働けたら、すごく嬉しいなって思っています。

会社情報

uFit(ユーフィット)

健康サポート商品を手がけるファブレスメーカー。医療機器認証を取得したマッサージガンなど、信頼性の高い製品を提供しています。

最後に

ご自身の夢を実現するために、若くして起業され、ピボットという大きな転換期を乗り越えながら成長を続けてこられたお姿に、大変感銘を受けました。
事業の華やかな側面だけでなく、その裏にある決断やご苦労についても率直にお話しいただき、学びの多いインタビューとなりました。
お忙しい中、貴重なお時間をいただき誠にありがとうございました。

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