PROFILE
生興株式会社
古谷 晴義
今回は、生興株式会社の古谷常務取締役に突撃インタビューしてきました!
生興株式会社様は、オフィス家具メーカーとしてスチール家具、パーティション、木工家具などを自社製造しています。
御社の強みはなんですか
最近はいろんな海外製品が入ってきやすいじゃないですか。
うちが取り扱っている書庫やロッカーは人より大きいから、組み立て式のものでない限り、海外から輸入しにくい商品を取り扱っているんです。
海外製品は輸入するのに運賃がすごくかかるのだけれども、うちなら国内生産で販売できるんですよね。取り扱ってるものが、組み立てられた完成品だから、海外から入ってきにくいニッチな市場で、 うちならほぼ国産で書庫、ロッカーとかが準備できますよっていうのが、弱みのような強みかなと思います。
あとは、創業113年で設立73年、 年代だけはそれなりに重ねさせてもらってて、設立73年、赤字なしっていう企業的な信頼とかが、仕入れ先さんなんかにも伝わっていて信用されていますし、財務体質もほぼ無借金経営を続けている点は当然強みだと思います。
財務基盤は安定してるなっていうところは間違いなくありますね。
商品とサービスについて教えてください
毎年カタログを出していて、1番はやっぱり自社製品が売れてるんだけど、自社製品じゃないのもあります。デスクとかテーブルとか椅子とかは卸売りで、中でも1番売れてるのはロッカーです。
ロッカーなんかは、バックヤードのものなので、そんなに目につくもんじゃないんだけれども、映画でも扱ってもらっています。例えば、シン・ゴジラの対策本部のシーンで後ろにずらっと並んでる書庫だったり、他の映画なんかでもうちのロッカーが写ってたりしますね。
お客様の中にリース業者様がいて、弊社の商品を取り扱ってくれてます。基本的には卸売りでルートセールスなので、 そのルートのいろんなところで見かけるって感じかな。
-直接お客様に販売はしないのですか?
売らないことはないんですけど、でもやっぱりルートセールス中心ですね。
あとは、うちの販売店さんがうちの商品をネットに掲載して売ってくれてる。
今1番売り上げが上がってる販売店さんも10年経ったら変わっていくと思うので、時代の変化についていけてるかっていうところが大切ですよね。
あとは、製品の性質上、一度購入されるとしばらくは買い替えが発生しないので、リピーターになりづらいですね。
でも企業ってどんどん生まれ変わるので、その新陳代謝で新たな需要が生まれますね。
ただ長い付き合いをしないと商売には繋がらないので、タイミングが重要です。タイミングを逃さないためにいろんなことやってます。
今年4年ぶりに展示会をやったんだけれども、来ていただいたお客さんに軽食を用意してもてなすのが中心になってて、展示会で注文を取ろうっていう頭は正直なくて、喜んでもらって何かあったときに思い出してもらえるようになればいいなと思ってますね。
会社の創業やこの仕事をはじめたきっかけを教えてください
私の曽祖父が、徳島で漆塗りの手提げ金庫を作って大阪の百貨店に納めてたっていうのが創業と聞いています。最初は手提げ金庫の販売から始まって、彼の時代から73年間赤字なしで運営してきたけど、戦争期には一時的に事業を停止したこともあるみたいですね。
私の父が木製の家具部門を任されていたので、私は木家具屋の3階で生まれ育っていて、自分のところの会社だっていう思いが強かったので、大きくなったらうちの会社に入るんだって、自然に思ってた。
でも、 大阪からは離れたかった部分もあったので、大学は大分で応用科学を学んで大学院まで出て、その後うちの会社に入りました。入ってからはね、もうその時には木製家具の部門はなくて、主にスチール家具を作っていましたね。
工場をどんどん増やしていって、南大阪、三重っというような形で増やしていく中で、 ロッカーが主流になってきました。ロッカーメーカーとしてはそれなりにシェアも10%ぐらいはあるかなというところです。
従業員の自慢をしてください
そうですね、うちの社員は、トップダウンっていう形じゃなくてボトムアップで売り上げの目標設定とかも各営業所で立ててもらっています。目標に対して、上からの指示ではなくて、これやりますよっていうのをコミットしてもらってるっていう形なので、各営業所がしっかり責任感持ってやってくれてるなと感じますね。1人1人が限界意識を持って日々の仕事に臨んでくれているので、いい社員さんが集まってくれています。
基本的にはアットホームだから、定着率も悪くはない。責任感持ってしっかりやってくれてるから今があるし、お客様にも紹介いただけるっていうのは、どれだけ人の役に立っているかということだと思うので、そういう点ではうちの商品も色々な所に役立っていると感じています。
弊社の社員がお客様に対して真摯に対応することで、信頼になるし、自分自身も商品についてよくわかるようになります。話合うことで改善に繋がった商品も結構あるので、喜ばれる存在になるために社内的にもお客様に対しても、どういうことをやったらいいか1人1人が考えてくれてる事も自慢の1つですね。
経営していて苦しかったことを教えてください
営業していると、納期に間に合わないとか、手配し忘れたりしてお客様を怒らせてしまったり。商品を間違えてしまったり、 手配を間違えたという時は、追い詰められて苦しいですね。
あとは、関わってくれた社員さんが辞めてしまったり、トラブルがあったりすると、やり方間違ってたかなと考えたり反省するところはありますね。
会社を経営していてうれしかったことは?
今回、初めて101億という念願の売り上げ目標を達成できたことですね。
入社してずっと目指していた部分で、長年の夢がやっとかなった形です。私自身が大ファンである阪神が日本一になった年に100億も達成できた。
それはやっぱり、 今までみんな頑張ってきて、私に仕事を教えてくれた先輩の方々にも多少なりとも、頑張ったなって思ってもらえたんじゃないかなっていう風には思うので、今年は良い年だったって言えるのは間違いない。
そういうタイミングで、インタビュー受けれるっていう事も嬉しいですよね。
不足していると思う事はなんですか
イノベーションというか、新たな挑戦みたいなのはなかなかできてないなと。
例えばコロナになった時でも、世の中リモートで在宅勤務だったり時代に合わせたことをやられてる会社もあったと思うんですけど、うちの会社はなかなかできなくて。時差出勤をちょっとやったぐらいで、 全くDX化が進んでないなと。
そういう企業も日本は多いとは思うけれど、オフィス商品を扱ってる企業として、それはどうなんだろうと。同業他社もやってるところはあったりするので、 そういうところはやっぱり遅れてるなと感じています。
3年後のビジョンを教えてください
創業115年に向けて社員旅行かな。
110周年の時にはコロナでできなかったので、社員旅行を復活させて、社員一丸となってやれるようなことやりたいなと。あとは今期100億達成できたので、100億を維持する、もっと伸ばしていく事ですね。
売り上げ目標は関東地区でやっと50億っていうのは達成できたので、より増やしていく。それがやっぱり目標なのかなと。
その時に、社員さんがどういう感じなのかっていうのをイメージしながらね。社員さんが、充実感を感じていて、仕事を喜んでやってもらうっていうところも大切にしないとなと。そういうのが、継続してできていれば、お客さんも巻き込んで一緒に喜ばれる存在になるというのを実現していくっていう所ですね。
あとは、タイとインド、パプアニューギニアの子供たちに、自然は大事だよということを教えるために、木を植える活動を支援させてもらっているのですが、うちの売り上げの一部を充てて公益財団法人さんと共同事業としてやっています。
うちの商品をお客様が買ってくれたらこういう活動ににお客さんも関わることになるよ、ということも伝えたい。事業をすることで地球の役にも立つというところは、企業の存続する価値でもありますね。
10年後のビジョンを教えてください
10年後だと、やっぱりちゃんと世代交代できてないとですね。
10年経ったらもう、次の後継者っていうのを考えなきゃいけないなと。
自分らがずっとはできないので、次の世代にどういう風に伝えていくのか、その時までにいかに会社を存続させていくのかが課題になってくると思います。
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さいごに
今回は生興株式会社の古谷常務取締役にお話をお伺いしました!
古谷さん、ご協力本当にありがとうございました!