PROFILE

株式会社はぐくみサポート
牧 さつき
今回は、愛知県内でコーチング研修、MQ戦略ゲーム(MG)※のインストラクターとして活躍されている株式会社はぐくみサポートの牧さつき社長にインタビューしてきました!
ーMQ戦略ゲーム(MG)研修とは?
1976年に西順一郎氏が開発した経営体験型シミュレーションゲームを使った教育手法です。(以下MG研修と呼ぶ)参加者一人一人がゲーム形式の研修の中で会社を創業し、自らが社長となり、5年分の経営ゲームの中で設備投資・人の採用・材料仕入れ・製造・販売・教育・広告・研究開発などを行います。
ゲームの体験とともに、情報システムとして企業の会計の原則や原価計算を採用した決算方式も備え、自分のゲーム結果の決算を作成、次期の経営計画の作成や戦略の立案も学べる研修プログラムです。
これまでのご経歴と
MGインストラクターになったきっかけを教えてください
実は、最近まで、長い間主人と美容室を経営していたんです。
最近、次の世代の方に無事にバトンタッチできたのですが、かつては「後ろを振り向いたら誰も社員がついてきていない」みたいな状況が続いたことがあったんですね。
それがきっかけで、最初は「コミュニケーションを勉強しよう」と思い、とある教育機関で学びはじめまして、その後は、その研修のサポーターのような立場になり、そこには20年ほど携わっていましたね。
それから今度は美容室特有のどんぶり勘定的なところに問題意識を持つようになり「次世代に引き継がせるためには、数字的・理論的な経営ができなければ」という想いをもちはじめたところから、MG研修に出会ったんです。
それが2017年ごろ、インストラクターになったのがその2年度の2019年で、「もともとやっていたコミュニケーション活性化の研修と合わせることで、右脳も左脳も活性化できる一つの事業にできるな」ということで、2023年に会社にした、という流れです。
ーなるほど。当時は今のようにネットで簡単にそういった研修を探したりすることも難しかったですよね?そんな中でこうして長期にわたって学びに携わられて、教える立場にまでなられて…。素晴らしいですね。
ありがとうございます。性分もあって、何事もやりはじめたらその開発者や第一人者にまでたどり着かないと気が済まないんです。笑
ー私も先日初めて牧さんのMG研修に参加させていただきましたが、インストラクターによって研修の中身に結構違いがあるんでしょうか?
コンテンツは全く同じなので、そういった意味では教えることや使うツールは同じですが、二日間の研修のうち、二日目の講義の最初の90分はインストラクターの個性が出る部分ですね。
私はそこにもちろんコミュニケーションの話を入れています。あとは実践的なワークを入れるのも私の研修の特徴だと思います。
やはり長くコミュニケーションの研修にも携わっていましたから、場の空気の作り方は、我ながら得意かなと思っています。
ー本当にその通りだと思います。私は本当に数字や計算が苦手で、牧さんがインストラクターでなければ、二日目は行っていなかったかもしれません。笑
研修に参加される方は、どうやって集められているのですか?
半分はご紹介です。参加者の多くは経営者なので、その方が所属している経営者団体の中で、紹介で広まっていったり…。
特に、最近は飲食業界や建設業界で実際に業績が上がってきた会社が増えてきたので、横のつながりで広がっていることを感じます。ネットで検索してたどり着いてきてくださる方もいますし、あとは継続的に参加いただいている方々ですね。
1回の研修で5期分の決算をやるのですが、いったん100期を区切りとしているので、やろうと決めて継続的に参加してくださる方は20回参加される計算になりますから。
3チーム計18名で開催するのが理想なのですが、なかには、社員研修のように1企業さんでそのくらいの人数を集めて受講してくれる企業さんもありますね。
ーなるほど。20回研修に参加するってすごいことですよね。やはり、ゲームといえどもそれだけ経営にも活かされる内容ということですよね?
そうですね。
もちろん、そのままそっくり実際の経営に持ち込むことはできませんが「値付けの仕方や市場を考える」ということだったり、「安売りして売り上げが上がっても利益が上がらなければ意味がない」ということを、身をもって学んでもらえるということもありますし、「入札するときや発表の時は大きな声を出す」「字は人が読みやすいようにわかりやすく書く」「手元の帳票一枚書くにしても、きちんと書いてデータをとって、ミスがあったら確認する」など、本当に基本的なことを学べる場でもあるんです。
コミュニケーションも勉強も人前で発表することも、すべてワンパッケージで学べる研修だと思っています。継続参加される方の中で、特に社員研修として参加している従業員の方なんかは、最初は正直あまり乗り気じゃなくても、みんな回を重ねるごとに元気になってくるんですよ。
意思決定も早くなりますし、そういう副産物も多いです。
牧さんが研修インストラクターとしてお仕事をする中で
一番うれしかったことを教えていただけますか?
そうですね。一番、というわけではないのですが、やはり「100期」といういったんの区切りまでしっかり受講を継続していただき、最後の100期完了を見届けた瞬間はうれしいです。
受講後に「社内で広めています」と言ってもらえたりすると本当にうれしくなりますね。
インストラクターとして大切にされていることをぜひお聞きしたいです
先ほどお伝えしたような楽しい場づくりということもそうですが「先生」ではなく「インストラクター」であることの意味をしっかり考えて運営するということを意識しています。
経営に正解なんてありませんから、先回りしていろいろ教えすぎてしまうと、自分で考えて判断することができなくなってしまうので、そこは意識していますね。
それと、どんなにつまづいても時間がかかっても、ちゃんと毎回の決算を完了させてから終えてもらうということは大切にしていますね。
ー私も何度もくじけそうになりましたが、本当に、牧さんがいたから何とか頑張れました。笑
では最後に、今後のビジョンをお聞かせください
そうですね、あと5年くらいはMG研修をやろうと思っていますが、そのあとは本来自分がやっていたコミュニケーション・コーチングの領域に戻っていきたいと思っています。
MG研修自体は、もう50年くらい前からあるコンテンツです。
私がインストラクターをやり始めたころは、ほかにやる人がほとんどなかったのですが、今後は、後任の方々にバトンタッチができるかな?と思っています。