「美容医療は“クリーン”であるべき」水の森美容クリニック 総院長・竹江渉が語る、理念と成長の20年【水の森美容クリニック】総院長・竹江 渉

PROFILE

【水の森美容クリニック】総院長・竹江 渉

水の森美容クリニック

竹江 渉

御社の商品・サービスについて教えてください

うちのクリニックでは、美容外科と美容皮膚科、両方を扱ってます。

いわゆる手術──目や鼻、脂肪吸引、豊胸なんかの外科的治療もあれば、肌のメンテナンスとか、レーザー治療、シミやニキビ跡の改善みたいな美容皮膚科的な治療もあります。
要するに、外側からの“美”だけじゃなくて、お肌の内側とか体全体のバランス、そういった部分まで含めてトータルにケアする──そういう医療をやってると思ってます。

御社の強みはなんですか?

僕らの一番の強みは、「クリーンさ」ですね。

美容医療って、患者さんが抱えているコンプレックスに向き合う商売だから、正直、やろうと思えばどこまでも営業できてしまうんです。
でもそれって、患者さんの知識が少ないことに漬け込んで、必要のない高額治療をすすめたりすることにもつながる。

だから、業界全体として、どこか“演技”の要素が強くなってしまっているところがあると思うんです。そういう空気の中で、「水の森さんは安心して行ける」と思ってもらえること。
これが、僕らの誇りです。実際、クリニック名を“水の森”にしたのも、「水=澄んだ・透明なイメージ」があるから。水のようにクリアであってほしい、そんな気持ちを込めて名付けました。

経営の理念について教えてください

僕らのクリニックには、大きく三つの理念があります。

まず一つ目が「患者様中心主義」
これは、単に「患者さんを大切にしましょう」という話じゃなくて、「この人が今、何を求めているのか?」をちゃんと考えて向き合おうという姿勢のことです。相手が何を求めていて、自分はそこに何を提供できるのか。それを考えることが、僕の考える“本当のサービス”ですね。

二つ目が「自己啓発の努力」
医者もスタッフも、やっぱり常に学び続けないといけない。現状維持では絶対に成長できないから、毎日自分と向き合って、自分をよりよくしていく意識が大事です。

そして三つ目が「相互協力の推進」
会社なので、いろんな人が働いていて、当然合わない人もいます。でも、それって仕方がないこと。だからこそ、「合わないから距離を取る」のではなくて、「どう協力して仕事を前に進めていくか」という意識が必要なんです。

この三つが、僕の考える会社の土台です。

これまでの経歴を教えてください

医学部を卒業して、まずは麻酔科に進みました。麻酔って、患者さんの命を預かる全身管理の要ですから、どんな科に進むとしても、一度は通っておいた方がいいと僕は思ってました。
そこから美容外科に転身して、大塚美容外科で修行しました。
当時は、いわゆる“美容バブル”のような時代で、芸能人が広告塔になるような大手クリニックも増えてきていたころです。
その中で5年間学び、手術の技術や患者さんとの接し方、経営的なことも現場で肌感覚として学びました。開業してからは、20年になります。もう、あっという間でしたね。

小さい頃はどんな子供でしたか?

僕、小さい頃から“夢を語るのが好きな子ども”だったみたいです。
北海道の田舎町にある祖父母の土地を見て「いつかここに大きな家を建てる!」って、よく言ってたみたいです。
今思えば、それって「こうなりたい」という欲求が強かったってことですよね。
あとで気づいたんですけど、経営者って、才能よりも「こうなりたい」っていう“欲の強さ”が大事なんじゃないかなって思ってます。

開業までの経緯は?

僕、実は裕福な家庭で育ったんですよ。
祖父がいわゆる“財閥系”の会社をやっていて、父も開業医でした。でも、バブルがはじけて、会社が倒産。父も病気で亡くなって、家族ごとどん底に落ちたんです。

医学部に入ったころは、ちょうどそのタイミングでした。周りはお金持ちばかりだったけど、自分だけは生活が苦しくて。でも、それを知られたくなくて、ずっと見栄を張って過ごしてましたね。
僕、大学時代のことを“闇の10年”って呼んでます(笑)
本当に辛かったけど、そこで「絶対自分で這い上がるんだ」と腹をくくったのが、今につながってると思います。

経営していて一番嬉しかったことは?

正直、小さな積み重ねばかりなんですよ。
劇的な何かがあったというより、「今日も何とか乗り越えたな」「あの問題、やっと解決したな」っていう積み重ね。
でも、そういう時って、“朝が来たな”って感じがするんです。
辛いことが続く中で、少しでも光が見えると、それだけで嬉しい。その繰り返しです。

経営していて一番難しかったことは?

“変わること”ですね。僕、開業当初は完全なワンマンでした。
全部自分が動かして、自分のやり方で引っ張っていくスタイル。
でも、組織が大きくなるとそれじゃうまくいかない。周りの人が思うように動いてくれない。
最初は「なんでだ?」って思ってましたけど、それは自分が変わってなかったからなんです。
あるときから、「まず自分が変わってみよう」って決めて、少しずつ聞く耳を持つようにして、傾聴する側にまわったら、驚くほど周りも変わってくれました。

「これだけは負けない」と思うことは?

“謙虚さ”ですかね。
僕、一回落ちてるから、また落ちるかもっていう不安が常にあるんです。
その不安があるから、リスクには敏感だし、できてないことを直そうとするし、慢心しない。
「できてることより、できてないことばっかり気にするよね」って言われるんですけど、それって僕の強みでもあると思ってます。

3年後のビジョンは?

やっぱり、美容医療って日々進化していくんですよ。だから外部の良いものをどんどん取り入れて、うちの治療の質をさらに高めていきたい。
今後3年で、技術的にも院内の体制的にも、もう一段階ステップアップしていけるんじゃないかなって思ってます。

10年後のビジョンは?

うーん、正直なところ…10年後は読めないです(笑)
昔だったら、「10年後にはこうなってたい」って言えてたんですけど、今は時代のスピードが早すぎて。3年後のことですら不確かに感じるくらいなので、10年先のことを“確実に”語るのは難しいなって思ってます。

特にここ数年、技術や社会の変化って本当に早いじゃないですか。
美容業界も例外じゃなくて、たとえばSNSの影響ひとつとっても、患者さんのニーズや美の価値観がどんどん変わっていく。それに、これは子どもの教育にも通じると思うんですよ。
昔だったら「こういう大人になりなさい」「安定した仕事に就きなさい」って言えてたけど、今はそんな“正解”がない。
だから、うちの子どもにも“自分で考えて選んで、自分の責任で失敗もしていけるような人間になってほしい”って思ってます。僕たち大人だって、今までの常識に縛られてたらすぐ置いていかれる。
だから柔軟に、変化に向き合っていくのが、これからの時代には大事なんでしょうね。

人生としての理想のかたちは?

最近よく思うんですよ。
若いときって、「どんな会社に入ったか」とか「いくら稼いでるか」で“勝ち組・負け組”を判断されがちじゃないですか。でも、60代・70代になったときの“勝ち組”って、きっとそこじゃないんですよね。

「人生を楽しんでいるかどうか」──これが一番大事なんじゃないかなって。

たとえ現役時代にすごい成功を収めたとしても、その後、過去の成功に囚われて生きづらくなっていたり、自分の価値が落ちていくことに苦しんでいたり…そういう人って意外と多いんですよ。
僕もそういう経営者の方、何人も見てきました。お金があっても、友達もいなくて、趣味もなくて、やることもない。そんなふうに“退職後に虚無感を抱えてしまう人”って多いんです。
だからこそ、僕は60代、70代になっても「日々が楽しい」「仲間がいる」「景色を眺めてるだけで幸せだなぁ」って思えるような、そんな人生を目指したいですね。

最後に、今回のインタビューの感想をお願いします

いやぁ、すごく楽しかったです(笑)
こうやって改めて自分の話をするって、なかなかないじゃないですか。でも話しながら「あ、自分ってこういうふうに考えてるんだな」とか「こういう経験が今につながってるんだな」って整理されていく感じがあって、すごくありがたい機会でした。
普段、スタッフの前とか患者さんの前ではなかなか言えないような話も、こういう場があると自然と出てくるんですよね。それに、話してるうちに“もっとこうしたいな”っていう新しい視点にも気づけて、僕自身にもすごく刺激になりました。
改めて、ありがとうございました。

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さいごに

今回のインタビューを通じて、改めて「理念を持ち続けること」の強さを感じました。
竹江先生のお話の中で一貫していたのは「患者様のために」「クリーンであることを大事にする」「変化を恐れず成長し続ける」という想い。その言葉には、美容医療業界の現実や、ご自身の過去の苦労や葛藤を経験されてきたからこその“深さ”と“重み”がありました。
特に印象に残ったのは「60代、70代で“勝ち組”なのは、人生を楽しめている人だと思う」という言葉。どんなに実績を積み上げてきたとしても、最後に問われるのは“今をどう生きているか”。その視点を持ちながら経営されていることに、深い共感を覚えました。

また、竹江先生が「自分の過去を振り返って話すことで、自分の考えが整理される」とおっしゃっていたのも印象的でした。話すという行為そのものが、自分自身を整える時間になっている。これは、経営者に限らずすべての人にとって必要なことだと感じました。
何より、理念だけでなく、その理念を“現場でどう貫いてきたか”という実践の話を聞けたことは、非常に学びが大きかったです。竹江先生のように、「まっすぐな想いを、組織や人に伝えて形にしていく力」を持った方とこうしてご縁をいただけたことに、心から感謝しています。

「美容医療は“クリーン”であるべき」──水の森美容外科 総院長・竹江渉が語る、理念と成長の20年【水の森美容クリニック】総院長・竹江 渉
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