PROFILE

ゴトウコンクリート株式会社
松林 秀佳
今回は、愛知県豊川市でコンクリート製の建築資材を製造・販売するゴトウコンクリート株式会社の松林社長に、社長が愛してやまないワインが楽しめるバーでインタビューしてきました!
*当該ワインバー経営者の岩須さんもインタビューを受けてくださっています。
こちらの記事もぜひご参照ください→㈱イチロイモ
ー本日はお時間いただいてありがとうございます!
社長の大好きなワインのお店にお連れしました(笑)
ありがとうございます。ニュージーランドワイン専門なのですね。
ワインも楽しみです。
ーぜひ楽しんでください。
御社の商品・サービスについて教えてください
はい。建設会社・地方公共団体からの受注を受けて、高速道路をはじめとする、建設用資材(コンクリート)を作っています。一番多いのが側溝ですね。
通常、溝って底がU字になっているのですが、当社が手掛ける側溝は、底が卵型なんです。
そうすることで、水の流れが速くなるので、ごみがたまらず流れていくんですね。
結果、掃除がいらなくなるんですよ。
実は、大雨で洪水が多発した時に、NEWS23で取り上げられたこともあるんですよ。
ーええ、テレビに!それはすごいですね。
ありがとうございます。
ちなみに、側溝の蓋をオーダーメイドで作る、ということもしています。
ーオーダーメイド。それもまたすごいですね・・・
そうですね。当社の製品は、競合他社から真似されることも多いんですが。
オーダーメイドの側溝の蓋については、コストがかかるので誰も真似しようとしないです(笑)
ー社長は、創業社長ではないとお聞きしました。
そうです。私は4代目ですね。
私の祖父が砂利屋さんを立ち上げたのが最初です。
2代目は私の母の兄、叔父がコンクリート屋をはじめ、3代目の私の父が、コンクリートの販売会社を立ち上げ、そこから開発にも力を入れるようになった、という流れです。
ー社長は、もともと会社を継がれる予定だったのですか?
いえいえ。最初は、東京の設計事務所で勤務していたんですよ。
あの頃よく飲んでいた新宿のガード下、なつかしいなあ(笑)
それはそれですごく楽しかったんですが、父に懇願されて、28歳で継ぐことを決意しましたね。
ーそうだったのですね。お父様は継いでほしかったんですね。
社長は、今は日々どんなお仕事をされていらっしゃるのですか?
はい。従業員が約120名おりますので、みんなの意思統一をするのが私の仕事だと思っています。
みんなが同じ方向を見ながら、幸せになってもらうための取り組みですね。
従業員一人一人に、必ずいいところがあって、輝ける場所があるんですよ。
それを探すのが社長の仕事だと思っています。
場合によっては、従業員が輝くために、新しい部署を作っちゃうこともあります。
ー素敵すぎます!!従業員ファーストの極みですね。
ありがとうございます。
1つ思い入れのあるエピソードがあって。
もうかなり前の話になりますが、とある名古屋出身の優秀な営業マンがいたんです。
その彼が、30歳を過ぎて泣きながら「会社を辞めることになった」というわけですよ。
事情を聴いたら、「結婚したいと思っている好きな女性が北海道に行くことになったから、一緒に行く」と言うんですね。
それを聞いて、北海道営業所を作りました。
ーえー!北海道に新しい営業所を!?今でもあるんですか?
はい、今でもありますよ。
ちゃんと受注も取ってきますからね。
やはり優秀だったんだなと痛感しました。
とても素敵なエピソードですね。
これまでに苦しかった時期もあったんですか?
もちろんです。会社をたたむかどうか悩んだ時期もありました。
20年くらい前ですかね。
当時はまだ父が社長で。その時に、ものすごく経営の勉強をしたんです。
そうしたら、父がすべて経営を任せてくれるようになって。
なんとか、乗り切ってまた軌道に乗せることができました。
ーなかなか後継者に実務を譲れず、事業承継が進まない会社もある中、立派なお父様ですね。
一番うれしかったことを教えてください
そうですね。
今でも、ボーナスの時期になると、全従業員にボーナスの明細書とねぎらいのお菓子を渡す、ということを必ずしているんです。
それこそ、先ほどお話しした一番苦しかった時期は、渡す相手が60人くらいだったんですが、現在では128名いますからね。
明細とお菓子を配る瞬間に、「仲間がこんなに増えてるんだ」と実感して、感慨深くなりますね。
ー素敵なしきたりですね。従業員さんを大切にされていることがよくわかります!
社長の「これだけは負けない!」というところを教えてください
なるほど。私ね、勝負はしないので負けないんですよ。
自分がいいと思ったこと、面白いと思ったこと。人がやっていないことをやるのが私のポリシーです。
ものづくりをするのに、他と同じようなことはやっても意味がないと思うんですよね。
従業員にも「売れるものは作らなくていい」とよく言っています。
「売れるもの」よりも、「新しいもの」を作ろうというマインドでいるんです。
そうしていると、「新しいことをやる会社だ」「他がやっていないことをやってくれる会社だ」という認識をしてもらえる。
そうすると各方面からいろんな相談が来るようになり、「相談すればそれに応えてくれる会社」として認識されることで、リピーターさんも増えるんです。
素晴らしい考え方です!
コストや儲けよりも、理念・信念に沿ったモノづくりをされていることがひしひしと伝わってきます。
最後に今後のビジョンを教えていただけますか?
建設関係では、これからもお客様の要望にもっと応える企業であり続けたい。
道路というのは、①地面のある土工部 ②穴を掘って作るトンネル ③空中にかける橋 の3つに分類されるんですが、橋の分野はまだまだ伸びしろがある状態なんです。
今はそこにチャレンジしているところですね。
日本の「道路」をより支える企業になりたいという想いがあります。
また、ワイン好きが高じてワインを貯蔵するコンクリートタンクを作っているんですが、国際特許をとっているんです。
実は今、海外からオファーが来ていて…。
これについては、事業として成功するかどうかというより、今後、もっと面白いことになっていくといいなと思っています。
ーワイン好きが高じてタンクまで作ってしまうなんて、社長らしいです。
そうでしょう?(笑)
人生は本当に楽しいことばかりですよ。自分の人生ですから。
これからも、やりたいことをやって楽しみたいですね!
