PROFILE

株式会社コラボハウス
松坂 直樹
今回は、株式会社コラボハウスの松坂代表取締役にインタビューをしました!
コラボハウスとはどんな会社か、どんな商品・サービスかを教えてください
私たちコラボハウスは「完全自由設計の注文住宅」を手掛ける会社です。
その中でも特徴的なのが、「外観」です。
住宅雑誌などで見ると内観を推す会社が多いかと思いますが、実は内観デザインは設計力よりもインテリアに依存する部分が大きいのが特徴です。しかし、外観は設計士の技術や腕がそのまま反映されるものです。
コラボハウスは技術やデザインに自信があるからこそ、外観を特に押し出していく事を大切にしてきました。

特徴的なところや強みの部分を教えていただけますか?
2008年に創業して、現在16期目ですが、コロナやウッドショックの影響を除くとずっと右肩上がりで成長し続けています。2024年は270棟の着工、2025年は305棟の着工予定で着地を見込んでいます。
今の住宅業界は、特に地方に新築で家を建てるお客様はどんどん減っていっていますが、そんな中でも、数字を伸ばしていける「裏」があり、それこそがビジネスモデルになります。
「ハウスメーカー」と聞かれると、イメージされるのは住宅展示場にお客様が足を運び、そこには立派なモデルハウスがありますね。
そこで、営業担当がお声がけしてご購入していただく…というイメージを持たれると思います。
しかし私たちは、この住宅展示場にモデルハウスを置くということを一切やっていないんです。
ー住宅展示場はゼロですか!?
ゼロです!住宅展示場が無いので、会社には営業もいません。
じゃあどうしているのかというと、建築士資格を持った設計士が直接お客様とお話しさせていただきます。ということは、まず営業人件費がかかりません。ものすごく固定費がかかるモデルハウスも無いので、それもかからない。
よくある、土地を保有していて土地付きで提案するということもやらないです。
土地を持っていないので、固定費がほとんど無いです。通常の会社では採算が合わないような契約棟数•着工棟数でも、損益分岐点がものすごく低いので利益が残せます。
さらに固定費を持っていないということは、お客様がお支払いする費用のうち、多くを住宅に充てることができます。
同じ建築費用が掛かっていたとしても、コラボハウスなら良い素材を使うことができます。
コスパが良いという点でも、ご支持いただけていると思います。このような大手の裏をかくような戦略が強みです。
ーお客様にも喜ばれる、しっかりとしたビジネスモデルがあったんですね!
まだいっぱいあるんですよ(笑)
例えば…デザイン性を追求していくと施工品質が安定しないです。やったことのない施工が増えると実績のないチャレンジをするということなので、当然、品質は不安定になります。
一方、ハウスメーカーで「工場品質」と言われている、規格を持って工場で作っていけば品質は安定しますよね。しかしそうすると、設計の自由度が下がってしまう…。
このバランスをとっていかないと、完全注文住宅で高いデザイン性と品質を両立するのはすごく難しいです。
コラボハウスはこれまで2600棟以上引き渡ししていますが、やはりまだまだ失敗もあります。
過去には、家を建てた後に目の前に電柱が立ったけど、何でそれを教えてくれなかったの?!なんてお声もいただきました。そういう外的要因も含めて、二度と同じ失敗を繰り返さないように独自の品質管理チェックリストを作っています。
すでにチェック項目が1000を超えていて、毎週増えています。
このチェックリストを現場監督2名で、お互いでダブルチェックをして品質が問題ないかを全部確認しています。このオペレーションができているから、チャレンジできるデザインを産むことができます。

ー1000項目を超えるチェックリストですか…!?
そのチェックリストを積み上げてきた創業者も言っていますが、極端な話、他社にそのチェックリストを見せてもいいって言うんですよ。見せた所で同じ品質で作り込めたりはしない!と自信を持っているからです。
営業担当者を無くして…モデルハウスを無くして…設計士が営業もやります、って簡単に真似できそうじゃないですか?
ーそうですね…同じようにすればできそうな気もしますが…
ハウスメーカーさんの集客は住宅展示場にモデルハウスを出すのが1番の集客施策なわけです。それを失って本当にお客様が来てくれるのか…?
絶対に真似できないと思います。
同じビジネスモデルでも、同じ品質で作り込むことはできない。同じ利益率を出していくこともできない。そういうわけで、情報も開示できるというわけです。
松坂直樹代表取締役がこの仕事を始めたきっかけを教えていただけますか?
私自身は住宅メーカーは初めてです。就任自体は、2024年の10月に創業者より引き継いで代表になりました。それまでは、機械系の大学院を出たあと、2012年から鉄鋼メーカーでエンジニアをしており、そこで実際にプラントを新しく立ち上げる経験をしたことで、家づくりではないにしろ、図面に向き合ってものを作り上げていく原体験を学びました。
その後、2017年に外資のコンサルティング会社に入り、経営コンサルタントを2024年までの7年間やっていたのですが、鉄鋼メーカーであったこともあり、素材やエネルギー系の会社や、石油や金属等の鉄鋼、非鉄金属もそうですし、あとは電力会社や重厚長大な会社のコンサルティングをやっていました。
実は私、データ分析が1番得意だったりするんです。統計解析とか。
その辺りを武器にしながら、法人営業改革や新規事業の企画推進等の仕事をしていました。
ーそこからコラボハウスへのきっかけは?
コンサルティングの仕事をしていく中で、次のキャリアを探していました。
自分で事業を持ちたいという想いもあったのですが、そんな時に知人を通じて、このコラボハウスという会社を紹介されました。
その当時、二人の創業者がここまでのブランディングを作ってこられていた会社で、このお二人がカリスマ的な方で力強く事業を推進されていました。
しかし、この権限や影響範囲が強すぎるがゆえの不安が強く募っていた時期で、後任が育たない、引き続き会社は成長していけるんだろうか?という不安と、ちょうどその時、社員が100人を超える時期だったんですね。まさに組織の「100人の壁」と言われるような、マネジメントの難題に直面していたんです。
元々は愛媛県で創業した会社ですが、当時、大阪や秋田にも出店していて、これまでのやり方では当然、100人のマネジメントをしていく事はできない、目が届かないレベルだったんです。
それをきっかけに後任者として、さらに成長していくための経営層として人を呼ぼうという流れになったそうです。そこで私に声をかけていただいたというわけです。
なるほど、そのような経緯があったんですね。
これまで経営していて、難しかった事はありますか?
難しかった事は…社長としての会社経営は初めてだったのでやはり、経営者とそうでない人との「差」ってこんなに大きいものかと思いました。求められるものがこんなにも違うのか、と。
就任直後は、事業を理解していくために色々と課題を特定したり、ヒアリングを行っていました。そうしている間に、代表が変わってしまった事への社員の不安をすごく感じましたね。ここがすごく難しくて、会社の課題を解決してどんどん前に進めていくことや実行することも必要だが、それ以上に…この会社をどうしていきたいか、どう社員に声をかけ、どう発信していくのかが1番難しく、1番大切なのだと実感しました。
逆に、会社を経営していて嬉しかった事はありますか?
社員の不安を感じていたから、コラボハウスで働いている社員のやりがいって何だろう?と考えた時に、デザイン性のかっこいい家をこれまで造ってきた事を大切にしていくことを求めている声が多いことに気づいたんです!
目の前の一棟一棟を大切にしていく、デザインの感度を磨いていく、カッコイイ家をつくっていく。このことへのやりがいが、社員には大きかったんです。
それに気づいてから、まずデザイン感度を高めるためのチームを作りました。その上で、会社の中でそのデザインを磨いていくためのあらゆる活動(プロジェクト)をしていきました。
社員全体の前で発表をしたりして、それが反響が良くて…喜んでくれたんですよ!これからもこういうワクワクするような企画を出して欲しい!と言ってもらえるようになりました!
お恥ずかしい話ですが、私が就任してから退職者が増えたんです。
でも、この活動を始めてから、退職者が大きく減りました。ちゃんと社員に響いて伝わったんだと思います。
これが1番嬉しかったですね!

松坂直樹代表取締役の個人的にこれだけは負けない!というところは何ですか?
シンプルにいうなら、「諦めない!」ですね。
例えば「悲観は気分だけど、楽観は意思である」みたいな話もしていて。
悲観するのは簡単なんですよ。気分で動いているんですよね。でも経営者の方々を見ていると、すごく元気に明るく仕事されているんです。そういう方々も、きっと辛い事があるはずです。
じゃあ何で明るく元気でいられるんだろう?と思った時に、私の中で出した結論は、彼らは「意思を持って楽観的にいるんだな」ということでした。組織を引っ張るリーダーが悲観的になっていたら、誰もついてこない。だから「大丈夫!絶対実現できる!やろう!俺たちだったらできる!!」って鼓舞して引っ張っていく人たちこそが、リーダーだと思います。
意思を持って楽観的に…これが「諦めない」というところに繋がるんですが、やっぱりできないこともあって。それでもこれを大切にして、私自身がみんなを引っ張っていかないといけないって思いがあります。だから簡単には諦めたくないし、逆境こそチャンスだと思ってムキになります。そういう性格なんですよね。
では、今後のビジョンをお聞かせください。
「Next LOCAL New LIFE」
私たちは、地域社会の新しいカタチを創造する会社。
多くの人々が集まり、イキイキと輝ける環境と次の時代の暮らしのあり方を、その場所の住民のひとりとして追及する。この言葉に込められています。
今、地方では、そもそも家を建てる人が減っています。
そんな中、会社を成長させようとすると、シェアの奪い合いになります。シェアを奪い合うと何が起きるかというと、広告宣伝費をガンガンかけるか、どんどん値引きをするか、そうなっていく。その先にあるのは…業界の消耗です。
会社がどんどん衰退していくのが、行く末なんです。私はそうしたくないという強い気持ちがあって、私たちのような会社が少しでも地域を元気づける、魅力付けになるような貢献ができないか?と思っています。
例えば、オシャレなデザイン性のある家づくりで街並みが変わっていくと、そこの街の魅力に魅せられてその地域に住みたいと思う方々が増えるかもしれない。ここの地域を出たくないという方が増えてくる。
そういった事で、人口減少や住宅の減少に歯止めがかかるかもしれない。そこに住む人たちが増えていくことで、家を建てる人たちが増え、それによって業界全体が盛り上がって私たちにも恩恵が返ってくる。
こういう状態を作っていくことこそが、この松山や四国の地域で家づくりを手掛ける私たちが担うべき事でないか?そう思うんです。
Next LOCALっていうのは、このままだと人口減少に歯止めがかからないような地域都市に対しての「Next」ですね。
次のLOCALの在り方の定義にして、そこに家づくりを通じた新しい暮らしの提案ができる。
そういう会社になっていけると、会社の存在意義としてすごく胸を張れるのではないかと思っています!
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おわりに
確立したビジネスモデルで、お客様、社員、地域に貢献したい!というお気持ちがよく伝わるインタビューでした!これからも家づくりを通して地元を盛り上げてください!
松坂さん、お忙しいところお時間をいただきありがとうございました!