PROFILE

株式会社ぐっとくるダイニング
岩田 聡
今回は、名古屋市内で20店舗以上の飲食店を展開されている株式会社グッとくるダイニング・岩田聡社長にインタビューしてきました!
初めに、社長のこれまでのご経歴と、会社を立ち上げたきっかけを教えてください。
はい、実は大学生のころから起業したいという想いが強くて。大学を卒業してすぐ、会社を立ち上げました。
ー大学生の時から起業を考えていらっしゃったんですか。すごい。周りにもそういう方が多かったんですか?
いえいえ。ほとんどいなかったです(笑)でも、なんとなく、「このまま就職しても人生大逆転はないな」みたいなことを考えていて、「起業しかない」と思っていたんです。
その頃はホリエモンさんとか、若くして成功しているIT企業の社長たちがメディアに取り上げられたりしている時期だったので、起業すれば成功できると思っていたのかもしれませんね。
ーなるほど。私も同世代なので、その頃のことはよく覚えています。それにしても、起業以来、すごい勢いで店舗数を伸ばされていますよね。
はい。12年で22店舗ですからね。最初は年間1店舗ずつくらいのイメージで増やしていたんですが、最近はペースが少し上がりました。
一度、コロナですべてが止まってしまったので、「コロナが明けたら一気にお店が出せるように準備しよう!」と、多くの時間を教育体制を整えることにあてたことが功を奏しましたね。
結果、コロナが明けてすぐに売り上げは回復して、従業員もコロナ前の2.5倍くらいになりました。100人くらいのところから、今は300人はいますから(※アルバイト含む)。
飲食業は人がいないと何もできないので、人が少し余るくらいのイメージで採用するようにしているんです。お店を出すたびに「この店舗が売れなかったらどうしよう」という不安は常にありましたが、結果的にうまくいきましたね。
ー飲食店って、コロナですごく大変な思いをされたイメージしかなかったのですが、それでも勢いが衰えないってすごいです。
「ここが他の飲食店とは違う」と自負されていることはありますか?
はい。まずは料理や飲み物よりも、「お客様に来てもらって、どういう感想で帰ってもらいたいか?」ということをものすごく大切にしているところですかね。
料理をおいしくするのは簡単なんですけど、その前にお客さんが楽しかった、元気になったと思ってもらえるお店作りをすることを大切にしていて、採用の段階でもまずそこに共感してくれる人しかとらないようにしています。研修でもそれを伝えていますね。
ーアルバイトの研修でもそんなお話をされるのですか?
はい、当社には教育と研修の部署があるんですよ。
アルバイトの子も、まずは2日間の座学をうけてもらっています。
ーええー!アルバイトの方にも、そこまでしっかり教育・研修をされているんですね。
はい。研修担当の社員もいて、その人は研修と人を見る仕事だけをしています。
仕事を現場で教えていくメンバーにも「トレーナー」という資格を与えていて、研修担当の社員にはそのとりまとめをしてもらっています。
人材に関しては、入り口は広く、出口は狭く。定着してもらうことを大切にしているので、これまで人手不足に陥ったことは今まで一度もないです。
ーそこまで教育に力を入れている飲食店さんは初めて見ました。
ありがとうございます。
やっぱり、コロナ期間中に、研修や教育の基盤を整えたのが大きかったですね。お店を閉めて協力金をもらい、助成金もあったので、お金に困ることもなかったですし。
家賃が安かったのも助かったポイントかもしれません。
ーコロナ期間中お店をあけられないことを悲観するのではなく、教育体制を整えるチャンスととらえて前に進まれたその姿勢が素晴らしいですね。社長は、MQ戦略ゲーム(ビジネスの基本をゲームで楽しく学べる研修プログラム)のインストラクターの資格も取得されていますよね?
そうです。今後は、アルバイトの子にもやらせたいと思っていて。
4月以降は会社で実施し、意識の高い子を育てていきたいです。
ーアルバイトであんな研修が受けられるなんて、めちゃくちゃいい社会勉強になりますよね。本当に従業員の方を大切にされているんですね。
ありがとうございます。外食はなんせ労務環境が整っていないところが多いので、まずはそこを整えることを大切にしています。
飲食店って、休みがとれないみたいなところもまだまだあったりするんです。
僕は、従業員はみんな仲間でありパートナーだと思っているので、お客様に喜んでもらうことももちろん大切だけれど、まずは従業員を大切にしています。だから、ランチはやらないと決めています。そこが整っているからこそいい人材が集まるし、みんな人に対して優しくなれると思うんですよ。
ー本当に素敵な考え方だと思います。従業員の方とも何人かお話しさせていただきましたが、みんなとても明るくて気さくでいい子ばっかりでした。
そんな社長がこれまでで一番うれしかったことってどんなことですか?
そうですね、やっぱり、仕事上のことに限らず、人の成長を目の当たりにした時ですね。
最初に働き始めた時は私生活も安定していなかったような子が、収支が安定して結婚して家族ができた、なんていう姿を見ると、すごくうれしい気持ちになります。
心が熱くなりますね。逆に苦しかったことはありますか?
苦しかったことかぁ~。いやなことはすぐに忘れちゃうんですよ(笑)
確かに、コロナの最初の頃はすごくお金が減って苦しい時期もあったんですけど、結果的にあの期間があって良かったですしね。本当に、ないかも(笑)
素敵です!
社長の「これだけは負けない!」っていう部分、何かありますか?
そうですね。決めことをやり続けること。やると決めたらやる。ということでしょうか。
大学受験の時なんですが、僕、高校3年生の10月まで一切勉強していなくて(笑)
でもその代わり、10月から2月までは毎日12時間勉強して、なんとか大学に行きました。
最近だと、1年半くらい前まで、毎日必ず朝5時から9時までセントラルキッチンに行くことを決めていて、朝3時まで飲んでいても行ってました。
ーそれはめちゃくちゃすごいです(笑)なかなかマネできないですね。
最後に、今後のビジョンを教えてください
はい、まず第一に、老害にはなりたくない。
まだまだ現役でいるつもりではいますけど、10年後くらいには徐々に次に引き継ぐ体制を作っていきたいですね。
実は今、名古屋から出るか出ないか悩んでいるんです。ひとまずは市内で30軒まで!という目標はあるのですが、それ以上の拡大となると、店舗数を増やすのではなくて名古屋だけで硬い企業にするか、それとも、他県も視野に店舗を拡大していくか、今はちょうどその過渡期です。