- 1 PROFILE
- 2 社長は3代目ということですが、もともと会社は引き継ぐつもりでしたか?
- 3 御社の商品・サービスについて詳しく教えてください
- 4 社長は若いころは家を出られていたとのことですが、戻られる前は何をされていたのですか?
- 5 経緯からすると、戻られた後に結構ご苦労があったのではと思いますが、これまでで一番つらかったことを教えて下さい
- 6 社員さんのことを大切にされているのは、お伺いした時の事務所の雰囲気からも伝わってきました!社長の代になって始めた人に関する取り組みは何かありますか?
- 7 一番うれしかったことを教えてください。
- 8 5年後のビジョンを教えていただけますか?
- 9 もう少し長期的なビジョンはどうでしょうか?
- 10 最後に、社長の一番大切にしていることを教えてください。
- 11 会社情報
- 12 さいごに
PROFILE

株式会社 足立熱処理研究所
足立 雅樹
今日は、愛知県で熱処理を用いた金属加工業を営まれている株式会社足立熱処理研究所の足立雅樹社長にインタビューしてきました!
社長は3代目ということですが、もともと会社は引き継ぐつもりでしたか?
いいえ。実は、若いときにプライベートでいろいろありまして…
当時は、家を出てすごく自堕落な生活をしていたんです。このままだとだめだと思い、逃げられない環境に身を置くしかないと思って。約10年前、27歳の時に父に頭を下げて+家に戻った形です。
当然ですが、最初は、とにかくめちゃくちゃ怒られました。家に戻ることは許してくれましたが、「継がせる気はないから、そこは勘違いするな」と言われましたね。
社長に就任したのは昨年2024年の5月なので、社長歴は、まだ半年少し経ったばかりです。
ーそうだったのですね。堕落した生活だなんて、今の社長からは想像できないです…。
そして、愛情深くやさしいお父様ですね。
御社の商品・サービスについて詳しく教えてください
はい、大きく分けると、「真空熱処理」と、「表面処理」の二つです。
金属を真空状態で熱して、そして冷ますことで、硬くなったり、逆に柔らなくなったりするのですが、自動車を作るための金型にこの技術が非常に有効なんです。
固いものを大量に作ることができる、非常に強い金型にすることができるんですよね。
金型は、大きいものは300キロ以上、小さいものは小指くらいのものもあります。
ーそんなに大きいものから小さいものまで!素人すぎて想像できないのですが、逆に柔らかくするのはどんな時なんですか?
柔らかくするのは、再加工が必要な時などですね。
そういうときは、柔らかくし、正しい形にして、もう一度固くすることができます。ステンレス系だと加工応力によって固くなり折れてしまうことがあるので、柔らかくすることで長持ちするようになるんですよ。
当社はこれらの熱処理を真空でやることができるというところが強みです。
真空じゃないところでやると、酸化してどうしても黒くなり、見た目が悪くなるし、環境にも悪いんですよね。真空でやることによって、熱が均一に伝わるので見た目もよいし、環境にも優しいんです。
このような熱処理原理を応用し、金属の表面にコーティングを作るのが、「表面処理」です。これをすることによって、表面をより硬く、そして滑りやすくすることでモノづくり、大量生産に貢献する技術ですね。
ーなるほど。イメージがわきました!
社長は若いころは家を出られていたとのことですが、戻られる前は何をされていたのですか?
はい。実は、音楽活動をしていたんですよ。ラップですね。クラブで歌ったりしていました。
ーえー!意外!!もう音楽はされないんですか?
それが、去年の年末に、当時の仲間が当時のリバイバルアルバムを出すとのことで、12年ぶりにちゃんとしたスタジオでレコーディングをしました(笑)
ーそれは完成したら絶対教えてください!!
経緯からすると、戻られた後に結構ご苦労があったのではと思いますが、これまでで一番つらかったことを教えて下さい
はい、これはもう、「人」のことです。社員さんと分かり合えない、社員さんの抱えている悩みを自分では解決できないと感じた時ですね。
辞表を投げつけられたり、罵倒されたりということもありました。その出来事自体もショックでしたが、何よりも自分の無力さを感じてつらかったです。
現在では、正社員24名、パートさん合わせて29名の方が当社で働いてくれていますが、従業員さんのことは大切にして、しっかり教育して未来につなげたいと思っています。
社員さんのことを大切にされているのは、お伺いした時の事務所の雰囲気からも伝わってきました!社長の代になって始めた人に関する取り組みは何かありますか?
はい。まずは、女性の採用ですね。3~4年前に始めました。
当初、社内からは反発をくらいましたが…笑。でも、女性ならではの気遣いやきめ細かい仕事が社内外から非常に好評で、今ではとても大切な戦力です。
二つ目は男性の育休必須化ですね。まだ導入したばかりですが、4人が実際に取得しています。これも賛否両論あるんですが、実際に取得した人には「最高だったよ!」と言ってもらえていますし、導入してよかったと思っています。
自分自身が子供が大好きなんですよ。ここは、大切にしていきたいと思っていますね。
ー素敵です。どちらも、小さなお子様がいらっしゃるイクメン社長ならではの取り組みですね!
一番うれしかったことを教えてください。
はい、これは社長に就任した時のことです。
それまで、自分が社長になることがすごく不安だったのですが、就任式の日に、本当に事務所に入りきらないくらい、驚くほどのお祝いのお花が届いたんです。
そのほか、お酒や手紙などもたくさんいただきました。その光景を目の当たりにして、「こんなにたくさんの人に祝福されてるんだ、期待してくれているんだ」というのを実感して、そこで腹が決まり、不安がすっと消えました。あの瞬間は一生忘れないと思います。
ー胸が熱くなるエピソードですね。
5年後のビジョンを教えていただけますか?
はい。ここは数字の話になるのですが、5年後に、過去最高を上回る売り上げを実現します。
そのためには、毎年8%の売り上げUPが必要なのですが、これはやります。
また、売り上げだけ上がっても意味がないので、営業利益率は10%以上という部分もこだわって実現します。
もう少し長期的なビジョンはどうでしょうか?
はい。今は、お仕事の8割が自動車関係なのですが、ただ仕事がくるのを待っているだけではだめだと思うので、技術や品質を向上させ、今の自動車メインの業態から、取引先様の業界を分散させることをやります。
もっと言うと、熱処理技術を使った全く別の事業にもチャレンジしたいと思っているのですが、まずは、今本業が赤字なので、それを立て直すことをやります。
ー「やりたい」ではなく「やります」という言葉をチョイスされているのがとても素敵です!
絶対、実現しますね。
最後に、社長の一番大切にしていることを教えてください。
はい、当たり前のことを当たり前にやる。ということですね。
例えば挨拶をするときや、謝るとき、話を聞くときは人の顔を見る、など、子供に言うようなことです。でも、果たしてそれをちゃんとやっている大人が何人いるか?と考えることがよくあります。
過去に1年間で250回のごみ拾いをしたことがあるのですが、その時に集まったごみは、ほとんどがお酒やたばこなどの大人が捨てたものだったんですね。
大人だからこそ、当たり前のことを当たり前にしないと、将来を担う子供たちに顔向けできないですよね。
会社情報
さいごに
合間にプライベートでのお話も伺いましたが、本当にお子様のことが大好きで、家族を大切にされていることをひしひしと感じました。
そんな足立社長は、社長業の傍ら、集まったお金を全額社会福祉施設や被災地、図書館への本の寄贈するという、寄付活動コミニュティの運営もされています。
素晴らしい取り組みですので、ぜひこちらのリンク先もご参照ください。
🔗 かつおクラブ|雅樹(かつおクラブ)
足立社長、お忙しいところご協力ありがとうございました!