PROFILE

株式会社しふくのとき
船屋 隼
今日は、愛知県豊田市でロケーション最高の川サウナ「Sauna Base SHIFUKU」を経営されている船屋隼社長にインタビューをしてきました!
本当に素敵な場所ですね。
早速ですが、これまでのご経歴や、川サウナをはじめられたきっかけについて教えてください
はい、僕は実は富山県出身で。高等専門学校を20歳で卒業し、就職で愛知県に来ました。
最初は、川崎重工で航空機を製造していたんですよ。でも、働き始めてすぐ、自分がものづくりにあまり興味がないことに気づいちゃったんですよね(笑)
同期の9割が大学院卒だったのですが、年功序列の影響で自分がランクアップしていくのは時間がかかると感じていて。
そんな中、コロナで航空機の受注が激減したこともあって、転職を決意しました。
そのあとも「これからどんな業種が伸びるかな」という観点で、別のことを少し勉強したりもしたんですが、これが全然身が入らなくて(苦笑)
「自分が情熱を持てないことをやるのは難しい」ということを痛感しました。そこで、僕が大好きだったサウナの事業をやろうと考えたんですね。
それからは、川サウナができる場所を自分で運転して探し回りました。その中でたまたま見つけたのがここだったんです。
当初は本当にボロボロだった建屋を借りることにして、開業したのが2023年のことです。
ーすごくよくわかります。好きじゃないことを仕事にするって、すごくしんどいですよね。
当初はすごくボロボロな建屋だったということですが、リノベされたのですか?
そうですね。ほぼ、DIYです。今もまだまだ道半ばの状態ですね。
ーDIY!?とてもそんな風に見えないです、すごいですね!!ところで、屋内のサウナ施設はよく見かけますが、こういった屋外のサウナ施設って珍しいですよね。
そうですね。アウトドアサウナはロケーション命なので、数としてはまだまだ少ないです。
こちらが、他のアウトドアサウナと違うところやアピールポイントはどんなところですか?
もう、間違いなくサウナのクオリティーです。
テントサウナって、テントの中に薪ストーブが入っていて、薪を燃料にして温める仕組みなんですけど、うちのサウナは優に100度くらいにはなります。
ここでサウナに入ったら、ここ以上はないってみんなに言ってもらえるくらい、クオリティーが高いんですよ。温度・湿度・蒸気量・酸素量・断熱性・薪の太さ、長さ、湿り具合…細部にまで、徹底的にこだわっています。
実は、ご縁あって、世界一のテントサウナのセッティングを手掛けている人にいろいろ教えてもらうことができたんです。
ーそんなに奥深いんですね…船屋さんが師と仰ぐ方とは、どこでお知り合いになったんですか?
それが本当に偶然なんです。
ちょうど開業したいなぁと思っていた時期に行った美容室で、美容師さんとの会話で「サウナをやろうと思っている」と話したら、たまたま日本でトップレベルのサウナを作った建築の方がこの後来るから紹介してあげる、と言われて。
その方を紹介していただいたことがきっかけで、日本テントサウナ安全協会の代表の方にも出会うことができたんです。
その方とサウナイベント等を通じて交流を深めているうちに、「今度、僕の師匠が東京で開催するイベントに行くといいよ、勉強になると思う」と言ってイベントに行けるように段取りしてくださって。
そこで知り合ったのが今の僕の師匠です。
年に1回「サウナシュラン」っていうサウナ版ミシュランと呼ばれる賞が発表されるんですけど、そのサウナシュランで「サウナオブザイヤー」としてピックアップされるような、サウナ界では有名な方なんですよ。
ー船屋さんの引き寄せ力がすごいですね。
はい、その人に出会えていなかったら、今の僕はないですね。
ーお客様は一日にどのくらいいらっしゃるんですか?
一組2~3時間ずつの時間制で、多いと100人くらいのお客さんが来られます。
この季節(インタビューしたのは7月末)はもう満席状態ですね。
開業当初は1日平均2~30人くらいだったので、まだまだですけど、徐々に知ってくれている人は増えてきている印象ですね。
ー開業当初でも2~30人くらいはお客さんが来ていたんですね。
はい、ここを作るときにクラウドファンディングをしたので、資金を集めるのと同時に宣伝もできたんです。
クラウドファンディングが成功していなかったら死んでいましたね(笑)
そこで300万円以上集まったので、融資は受けていません。
今思えば、そんな状況でよく立ち上げたな、と思いますけれど(笑)
開業されてからの2年間で、一番うれしかったことを教えてください
1周年イベントに来てくれたお客様に「ここに来ると幸せな気持ちになれるね」と言って頂けたことですね。
「サウナはもちろん、スタッフの対応なども含めて幸せな気持ちになれる場所だ」と言って頂けて。その時に「あぁ、自分のやりたいことが実現できている」って、実感して、とてもうれしかったです。
逆に、一番苦しかったことはありますか?
これはもう忘れもしない、オープンして1ヶ月経ったくらいで、このあたりに線状降水帯が発生して、数十年に一度レベルの大雨が降ったんです。
当然川が増水して、このあたりにあった薪とか、全部流されてしまって…。
ーそれは大惨事でしたね…
はい(苦笑)
でも、インスタでその惨事をアップしたらいろんな人が助けに来てくれて、1週間くらいで営業再開することができて、結果的にはとても良い経験になりましたね。
当初無保険だったんですけど、そのあとちゃんと保険にも入りました。
では、5年後のビジョンを教えてください
はい。近いうちにインドアサウナも手掛けたいなと思っています。
アウトドアサウナは、どうしても冬は夏の10分の1くらいまで売り上げが落ちるんです。
アウトドアサウナとインドアサウナって、ノウハウが全く違うので、両方やっているところは日本にはまだなくて。その第一人者になり、フランチャイズも併せて、インドア、アウトドア合わせて10店舗くらい出したいなと思っています。
もう少し先、10年後くらいはどうですか?
日本全国のさびれてしまった宿泊施設等にサウナを導入して、町おこしや、街の再生みたいなことに携わりたいなと考えています。10年後は世界進出も考えたいですね。