「地域に根ざし、仲間とともに」—— 常滑のまちと共に歩む多角経営の実践者【サンレー交通株式会社】都築 孝弘社長

PROFILE

サンレー交通

都築 孝弘

サンレー交通株式会社

都築 孝弘

御社の商品・サービスについて詳しく教えてください

サンレー交通は2008年に設立し、現在は常滑を中心にタクシー事業を展開しています。
創業から約18年になりますが、「タクシーだけではいけない」と考え、事業の幅を広げてきました。

まず始めたのがコインランドリーで、これは小規模ながら地域のニーズに応えたものです。
さらに8年前からは便利屋サービスにもフランチャイズ加盟し、住民の生活に密着したサポートを行っています。

そして、コロナ禍を契機に新たに始めたのが倉庫業です。
これは“ただの倉庫”ではなく、プラスチック製品を成形するための「金型」だけを預かる専門性の高い倉庫で、重量も5トン以上20トン未満に限定しています。
ニッチですが、だからこそ他にはない付加価値を提供できると考えています。
この分野に進出した背景には、親会社である三鈴化成との関係もあります。親会社はプラスチック成形の会社で、私たちはその業務と地域のニーズを繋ぐ役割も担っているというわけです。

御社の強みを教えてください

うちは地域密着型の会社です。
よくある経営理念のようなかっこいい言葉は掲げていませんが、「地域貢献」これがすべてです。
私は地元常滑で生まれ育ちました。保育園、小学校、中学校、高校すべて地元です。
子どもの頃から地域の子ども会や祭りなどの活動にも積極的に関わってきましたし、今もその関係性が続いています。

タクシー業界にもたくさんの事業者がいますが、私たちは12台という少数体制で運営しています。だからこそ、地域の顔が見える関係性を築けていると思っています。
便利屋のサービスも、常滑を中心に展開していますので、地元の人からの信頼が仕事につながっているという実感があります。

これまでのご経歴を教えてください

私は常滑生まれ常滑育ちです。
専門学校は自動車整備系の学校に2年間通いましたが、特に資格も取らず、親から「遊んでこい」と言われたような感じで(笑)
卒業後は地元の酒屋で営業をやりましたが、自分には合わず1年で辞めました。

その後は、朝は製麺所、昼はガソリンスタンド、夜は配達と、いわゆる“フリーター”のような生活をしていた時期もあります。
その後、三鈴化成に配達運転手として23歳の時に入社しました。

2008年、タクシー事業を始めることになり「お前が社長をやれ」と言われて、サンレー交通の社長に就任しました。自分で始めた会社ではありませんが「やるなら面白くやってやろう」と思って、ここまで来ました。

会社を経営する上で大切にしていることを教えてください

まず、「人を大切にすること」これは絶対です。
どんなに制度があっても、人がいなければ回りません。

タクシー業界は部合制が多いんですが、コロナ禍でまったく売上が立たなくなったとき、私は「最低賃金だけは保証する」と社員に伝えました。車を走らせるだけ赤字。
でも、辞めるのは簡単なんです。
どうやって踏ん張るか、そこを考え抜くのが経営だと僕は思っています。

あとは「怒らない」ってことも意識しています。
以前はよく口出ししてましたが、今はまず聞く。いったん受け止めてから、言葉を選んで伝えるようにしています。
社員にも「やりたいようにやらせる」っていうのを大切にしています。
放任ではなく、“信頼して任せる”。これがうちのスタイルですね。

社長ご自身の
「これだけは負けない」強みを教えてください

僕は、借金が怖くないです(笑)
返す気があるから借りてるだけで、恐れていません。

そして「粘り強さ」でしょうか。苦しいこともたくさんありました。
リーマンショックにコロナ、どれも簡単じゃなかったけど、乗り越えてきた。
基本的に、自分が進む道を「面白いかどうか」で判断しています。
右か左かで迷ったら、面白い方を選ぶ。失敗してもいい。
その方が納得できるし、自分らしくいられる。それが今までやってこれた理由だと思います。

今後のビジョンを教えてください

一番の課題は「人手不足」です。
タクシーも便利屋も、人の力が必要な仕事ですから、仲間を迎え入れたら、単なる労働力ではなくチームの一員として育てています。
これからも「人を大切にする」姿勢は、何があっても変わりません。

会社情報

サンレー交通株式会社

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サンレータクシー

おわりに

都築社長とのインタビューを通して、何よりも印象的だったのは“人”に対する向き合い方です。
「怒らない」「まずは聞く」「任せて信じる」——こうした言葉の一つ一つが、社長としての覚悟というより、“地域の兄貴分”としての自然体な生き方から滲み出ていました。
タクシー業界の厳しい現実の中でも、最低賃金を保証し、事業の幅を広げて社員とその家族を守り抜いてきた姿勢は、決して理想論ではなく、地に足のついた経営そのものでした。
「面白いかどうかで進路を決める」という都築社長の言葉に、私自身もハッとさせられました。
たとえ不安があっても、“自分の感覚”を信じて一歩踏み出す。
その積み重ねが、18年続く会社と、地域からの信頼を築いてきたのだと感じます。
順応力と粘り強さ。そして何より、仲間と地域への“まっすぐな想い”。
それが都築社長の生き方であり、サンレー交通の経営の本質なのだと心から感じた時間でした。

「地域に根ざし、仲間とともに」—— 常滑のまちと共に歩む多角経営の実践者【サンレー交通株式会社】都築 孝弘社長
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